ひたすのなかの島々

30代の独身男性が投資信託積立と貯金箱とαを綴る。最近は英語勉強記録になりつつあります。

団体職員を辞めるまで(第一次転職戦線 開戦前夜)

お久しぶりです、ひたすです。

やっとパワハラがひどい企業からの転職を決め、来年からは大手企業で地方に住まいを移し、生活することになりました。

「団体職員がどういったものか」「エージェントの利用の有無」などを【4回】に分けて、各企業の退職の経緯をお話したいと思っています。

 

それでは、今回はこちら。

【団体職員を辞めるまで(第一次転職戦線 開戦前夜)】

 

 

 

1:はじめに 

大学卒業後、新卒で入社した先が団体職員というやつでした。

いわゆる、公益社団法人とか財団法人とか独立行政法人とかそういう類のものだと思っていただいてOKです。

 

就職活動の際は「公益的な仕事をしたい」という思いから、インフラ系企業や公務員(主にキャリア官僚)、そして団体職員などを志望していました。

結局、キャリア官僚はそれに至るまでの途方も無い勉強量や、それに費やす時間もなかったため、断念しました。

入省後の多忙さなども不安でしたが、興味がない分野に配属して仕事をするのもなぁとその当時は思っていました。

 

その結果、便宜上「X法人」としますが、そちらで団体職員として入社しました。

 

 

2:X法人の風土

X法人の風土を語るにあたって、3つの観点からお話したいと思います。

 

【組織的な観点】

・完全な年功序列であり、実力があるものも正当には評価されづらい

⇒これは団体職員問わず、国家公務員もしくはそれに親しい団体であれば同様だと思います。最近では大阪府のような外部登用を積極的にする自治体も見られますが、そういった組織のほうが例外的だと思います。管理職になるころには少しずつ出世に差はついていくようですが、よほど問題が起きない限り、課長級までは一律に出世していました。そのため、「英語ができない国際関係部署の課長」や「法務に門外漢な法務部の課長」などの例が多数見られました。。そういった部署では若手に高い専門性を有するプロパーハイスペック人材が所属するケースが多かったので、その方々の苦労は多大なものだったと思います。。

 

・役員や主要部門の部長級は中央省庁から派遣されてくる

⇒私のいたX法人も役員に中央省庁からの方が数名おりましたし、各事業部の主要ポストも基本的に中央省庁のキャリア官僚がキャリアの一貫としてくるケースが多かったです。また、お財布を握る経理部門などは某省の定年間際の方が部長級として来られるケースが多かったです。キャリア官僚の方は若い方は仕事が早い優秀な方が多い印象でしたが、50代後半で来る方は結構癖がある方が多い印象を持ってました。

個人的には、キャリア官僚の方よりもノンキャリアの方のほうが人当たりが良く、視野が広い方が多い印象はありました。

 

・中央省庁が親会社という構図

⇒中央省庁の官僚の方が主要ポストを占めるケースが多いため、基本的に監督している官庁が親会社で、彼らから指示される物事・指針に従って業務を行うという点です。

そのため、「0を1にする仕事」は中央省庁の方々が考えるため、X法人にいた際は、「出来上がった1を3~5に仕上げる仕事」を行っていたと今は思います。

 

 

【プロパー人材の観点】

・保守的な思考

⇒X法人は基本的に関東勤務だったため、関東圏から離れたくないという理由で入社している方がたくさんおりました。また、「0を1にする仕事」をしているわけではないですし、創意工夫をする余地が薄く、革新的なことや目新しい点は「予算が~」とか「前例が~」とか言われて、取り潰されることが常日頃なので、若手のうちは熱意に溢れた方もたいてい3年前後経過するとその熱意も消え去っている方が多数でした。そのため、私も含めてそういった組織風土や自分のキャリアに危機感を感じた方は7年目くらいまでには退職する場合が多いです。

 

・俺は嫌な思いしていないから

これは私が働いていた職場がそうであっただけかと思います。保守的な考え方が蔓延しており、年齢が行くほどいかに手を抜いて仕事をすることばかり考える方が多いイメージだったので、突発的なアクシデントで部署が壊滅状態に陥っても、即座に人員補充や配置転換をするケースはまずありませんでした。。ほとんどの方は自分に火の粉が降りかかるのをなんとかして払いのけようとしますので。

確かに、もしそういった救援をする方がいても、彼の出世にもほぼ影響しないし、評価にもつながらないので、それであれば、虎穴にあえて突っ込んでうつ病発症リスクをあげないほうが得策なのでしょう。。

 

・若手の離職率は気にしない。

⇒前項の「俺は嫌な思いしていないから」に通じるように、優秀な方や、たとえ同期が辞めたとしても全く無関心な方が多かったです。X法人は若手の離職率はかなり高かったですが、それだけでなく、うつ病などの病的な理由で長期療養している方が結構な数がいました。私はそういった事態を「これ、、どうにかしないとまずいだろう・・・」と常に思っていて、同期にそれとなく聞いたところ、「自分がならなきゃよくない?」と意に介さず言われた点は驚愕でした。。。確かにそれはそうなんですが。

 

【キャリア的な観点】

・部下のマネジメントスキルが一向につかない

⇒これは法人にもよると思いますが、X法人は組織人員の割に部署が多かったため、部署によっては10年経っても下っ端であることが多々ありました。10年経っても課長補佐にやっとなれるレベルで、10年で成れれば最速ペースなのですが、部下のマネジメント経験は皆無な方が多数いました。。課長になっても、マネジメントする人数が1~2人という部署もざらにありました。

 

・プロパー職員の長期的なキャリアを考えない人事異動

⇒X法人で若手職員が辞める一番の理由はこれでした。これは公務員的な組織あるあるだと思いますが、「数部署経験して、職員の適正を見て、中堅層くらいからキャリアの方向性が決まっていく」というものはありませんでした。私が噂で聞いた話では、異動から一定期間経過したら、花いちもんめのように、

人事「だ~れがほしい??」

課長「精神的にタフなAさんがほしぃ~!」

みたいな流れで異動を決めていたとかいないとか。。

 

・判子を押すのがうまくなる

⇒X法人は「起案」(会社でいう稟議)にあたるものがあり、それを下っ端から役員まで回して判子リレーを未だにしていました。私はシャチハタを使ってましたが、判子を押すのはうまくなりますよ。

 

3:私はこうしてX法人を辞めた。

入社して3年位経過すると、色々と組織について不満を持ちながらも、転職本を読んだりして、自分のキャリアについて改めて考え直す時間が多くなりました。

そのときに読んでいたのは下記の本ですが、名著で有名ですよね。

 

 

 

 

 

そして、色々と考えた結果、退職することにしましたが、 私がX法人を辞めた理由は下記のとおりです。

 

・一度でいいから評価してもらいたかった。

⇒私は常に5段階評定でいう3評定でした。例えば、2年目に直属の上司が体調を崩しはじめ、その後、うつ病で倒れた際に、課長の業務を約半年間、一人でやっていたにも関わらず、中央省庁から出向で来ていた部長は「3」をつけて、労いの言葉さえもなかったのは悔しさを通り越して、虚無しかなかったです。人員の3割に4以上をつけていい評価指標体制だったのですがね。

 

・年齢とマネジメントスキルの不足

⇒30になっても、部下を1人しか持ったことがなく、35になっても同じような状況が続くことに危機感を覚えました。年齢とそれに比肩する役職やマネジメント経験というのは重要だと思います。

 

・専門性の不足とキャリアの五里霧

 ⇒これは本当にそうでした。転職戦線において、私の団体職員の経験はほぼほぼ評価されませんでした。面接では、「事務処理能力があるのはわかるんだけど、、、、」という感じでした。かつ3部署経験してもキャリアの方向性が一貫していなかった点も大きな理由だと思います。

 

 

これらは大きな理由ですし、最初に上げた組織風土や職員の考え方が私の持つもの、目指すものとは大きく異なっている点も理由になると思います。

 

X法人を辞めるとき、人事に「働き続けるモチベーションとして、今後の長期的なキャリアの方向性を曖昧でいいから示してほしい」と強く言いましたが、結局、人事は答えることができず、多分持っていなかったのだと思います。引き止めも一切なかったです。

その際に、何らかの方向性を示してくれていれば、留まる気持ちが高まったかもしれません。

 

 

4:団体職員のメリット

・安定性

⇒このコロナ禍の時代において公務員の安定性が色々と注目を浴びておりますが、確かに団体職員も安定していると思います。給与も公務員準拠のケースが多いです。

 

・同業他社への転職のしやすさ

⇒私は今回、大手企業に転職しましたが、同時並行で受けていた企業群に団体職員がありました。業務フローなども近いところがあるのは大きな理由かと思います。法人によっては夏休みの日数が多かったり、住宅手当の金額や社宅の有無なども微妙に違ったりするケースがあり、公務員よりも良い場合が結構あります。

 

・判子が押すのがうまくなる

⇒電子稟議システムを導入している法人は多くないと思います。

そのため、この電子化の時代にあって、あなたの判子を活かす機会はここにあります!

 

 

5:団体職員のデメリット

・民間転職の難しさ

⇒政府系といっても日本銀行国際協力銀行日本政策投資銀行や、技術系として研究機関で働いている場合を除けば、事務系はなかなか大手の民間企業に転職するのは難しく、自己研鑽を積む必要があります。民間企業での唯一の例外は、国家公務員の方と同様にコンサルに移る方が一定数いるくらいでしょうか。。

 

 

退職した私が団体職員のデメリットを語れば、枚挙にいとまがなく、それはただの愚痴にしかならないのかもしれないので、思うところは組織風土の項目でわかるかと思います。また、企業口コミサイトなども参考にしたほうが良いと思います。

 

 

 

さて、たまに書いてましたが、団体職員として勤務してた際に気になっていた女性職員の方がおりました。

その方は私の友人が

「ひたすさんが元カノに振られてから、はじめに好きになった最初の人や!つまり1stさん!!!

と名付けられていました。

 

偶然、その1stさんと昨年末にお出かけをしたことがあったのです。。。

で、1stさんに改めて、前職と前々職の退職理由を聞かれたので、話したんですが、、

 

1stさん「ひたすさんってどこの職場行っても愚痴しかないんですね!だから辞めるのではないですか???」

 

ひたす「\(^o^)/」

 

この発言は傷ついた、もうめちゃくちゃ傷ついた。ちょっと楽しみにしていた私がバカでした!!

もう浚渫工事ばりに一気に私の心をごそっとすくい取られ、流れが良くなった精神の混流は一気に1stさんへの未練や親密度とかそういうパラメーター的なものを海へと押しやって、ついに、恋の命脈が立ち消えたのである。あまりの強烈な発言に、私の立ち消えた感情は不完全燃焼を起こし、負の一酸化炭素を撒き散らすほどである。

 

つまり、100年の恋はこれで瓦解したのである。

 

 正直なところ、私も愚痴が過ぎた面もあるかもしれないのだと自覚する点は大いにあるのですが、面と向かって言われると辛い笑 ただあえていう、前職はパワハラが本当にひどかったので、あれを愚痴と言われるのは心外である。

 

昔話にはなりますが、私は団体職員であったとき、非効率な内部業務運営フローや骨董品のような業務システムを改革しようと動いたことがありました。

結局、色々と外堀を埋めて、根回しをして、すべてのめんどくさい業務を私が引き受けることで進めようとしましたが、他部署の方に、土壇場で「効率化とか刷新してメリットしかないのはわかるけど、私がいる際にそういう事するの辞めてほしい。新しいシステムを覚えるの面倒だし、私が異動した後に来る人にやらせればよくない?」と言われて、全てが流れてしまったのである。

 

こういう事例は結構よくある話で、実働で動いた改革者も結局、組織的なメリット云々に辿り着く前に「めんどくさい」という理由で片付けられるケースは多いのです。

 

そのため、行動の結果として発生するのは、「変えようとしたけどできなかった人」というレッテルだけであり、彼らの改善案というのは、内情を知らない大多数の方にしてみれば、「愚痴」の一点に集約されてしまうのだと思います。

だから、1stさんが私の思うところを「愚痴」という一言で片付けてしまうのはわかる気もします。1stさんとは同じ部署で一度も働いたことはなかったのだから。。 

 

6:終わりに

以前に少し書きましたが、私は前職のパワハラ等のひどさもあってX法人の元上司の紹介を受けて、中途採用の面接を受けました。ただ、それは1次面接で落ちてしまいました。

ただ、結果的には色々と良かったのだと私は思っています。

 

昨年末に私は前々職で親しくしている方は数名と地方に行くにあたってオンライン呑み会などで話しました。

そこで知ったのは、「私の同期の8割がなんと退職したという事実」中途採用した職員さえ半年から1年で辞める人が一定数いるという事実」でした。

 

結局、私が抱いていたX法人の課題はたった1年ごときで変わるものではなかったということなのでしょう。

こういった状態で私が入社しても、1stさんのいう愚痴・不満の火種が再点火するのは時間の問題ですし、もともと所属していた職員が一年位で戻ってくるとなれば、現職の職員の軋轢を生む可能性さえあります。

 

そして、こうなるのです。

 

1stさん「ひたすさんは戻ってきても愚痴しかないんですね!!!」

 

 

 

次回、「国際色豊かな企業を辞めるまで(第一/二次転職戦線)」 乞うご期待。

 

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